2011年03月13日
デマ対策<<まだ初期
2011-03-12
■東北地方太平洋沖地震、ネット上でのデマまとめ





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★デマに関する記事
ネットでの情報交換が活発、半面デマも
東北地方太平洋沖地震では11日、電話がつながりにくい状況が続く中、インターネットを使った情報交換が活発だったが、半面、デマ9 件も飛び交った。
短文投稿サイト「ツイッター」では、地震の直後から被害の状況を報告する書き込みが殺到。「誰か助けて」という悲痛なメッセージもあった。過去に被災経験があると思われる人からは、地震対策のアドバイスの投稿もあった。
避難所や、帰宅が難しい人を支援する施設の場所が分かるサイトも登場。動画投稿サイトには、地震の瞬間をとらえた映像や、被害の様子を収めた動画が投稿された。
一方で、ツイッターにはデマ9 件も流れ、混乱を招く事態も発生。「腹部をつぶされて血が流れている」とうそをついたり、「放射線が漏れている」と不安をあおったりする書き込みもあった。(共同)
http://www.nikkansports.com/general/news/f-gn-tp0-20110311-747382.html
というわけで、多くのデマが広がっています。役立つ情報のまとめサイトは多くの方が作ってくださっていますので、「こうした情報に触れたときは、いったん冷静になってみよう」という実際のケースのみ、まとめてみます。以下、見つけ次第更新してみます。修正点や、その他のデマなどあれば以下にご連絡ください。もちろん、ここにあるものはデマ全体のごく一部でしかない点もご留意ください。
http://twitter.com/#!/torakare
seijotcp@gmail.com
-まず、twitterブログより注意喚起の紹介
多くの方が非公式リツイートを利用されているため、同じようなツイートが重複し、本当に重要なツイートが埋もれています。また、非公式リツイートを公式リツイートと思い込んでリツイートされている方も多く見受けられます。
もしツイートを拡散したい場合は公式リツイートをご利用ください。複数のユーザーが同じツイートをリツイートしても、自分のタイムラインには1つか表示されない仕様になっています。公式リツイートの送信方法、公式リツイートと非公式リツイートとの違いなどの詳しい説明は、ヘルプページにて説明していますので、PCまたはスマートフォンからご確認ください。
というわけでまず、気になるツイート、エントリー、メールなどを見つけたらどうしたらいいか、とりあえずツイッターの場合として説明。
深呼吸
↓
拡散の前に、RT元のアカウントの前後の発言をみて、進捗状況や訂正情報がないかを確認すること
↓
本当に自分「こそ」が拡散する必要がある情報なのか、考えてみること
↓
付加情報が特にない場合は、公式RTを使うこと ソース元へのリンクは常に確保しておくこと
↓
誤りなどがあれば訂正すること、その場合も公式RTなどを利用すること
「何かしなきゃ!」という気持ちに駆られるのはとても理解できます。でも例えば、救援経験もないのに救出活動をしようと現地入りをして被救助者になってしまった、というのでは本末転倒です。それと同様に、「情報面で助けよう!」という思いが、他の情報を埋もらせてしまった、デマを広げてしまった、という状況を生む場合もあります。
救助のプロなどでない限り、「自分の助けこそが必要だ」というケースは少ないと思います。被災されていない人は、「いつもの状態」を保つのも大事な役割ですし、寄付など、これからは「みんなでやるべき活動」「誰でもできる活動」もたくさんでてきます。
電話会社や電力会社などの公的機関、専門分野の範囲内で確かな発言をしている専門家など、確からしい情報を持っている当事者の発言を獲得する努力が重要です。
-有害物質の雨がふる?
★よくみかけた書き込みのパターン
【拡散希望】千葉在住の友人より。週明け雨の予報です。千葉周辺の皆さんご準備を! >コスモ石油の爆発により有害物質が雲などに付着し、雨などといっしょに降るので外出の際は傘かカッパなどを持ち歩き、身体が雨に接触しないようにして下さい!!!
千葉の皆さん!コスモ石油の火災で有害物質が雲に付着している。雨が降ったら危険なので肌を露出しない。長袖、カッパの着用、傘を忘れないようにとの事です。できるだけ多くの人に伝えてください。
千葉の製油所、製鉄所の火災の影響で千葉、首都圏では、科学薬品の含まれた雨が降ることが予想されます。傘やレインコートの使用をお願いします!また、コスモ石油の爆発で大気中に有害物質が含まれたため外出時には肌を出さず雨にも注意するようにとの事です。工場勤務の方より
【メールで回ってきたので転載】コスモ石油の関係者より「コスモ石油の爆発により有害物質が雨などと一緒に降るので外出の際は傘かカッパなどを持ち歩き、身体が雨に接触しないようにして下さい
↓
☆コスモ石油より注意喚起
「千葉製油所関連のメールにご注意ください | コスモ石油」(繋がりにくいのでh抜いてます。文章は下記のとおり)
ttp://www.cosmo-oil.co.jp/information/110312/index.html
コスモ石油株式会社
コーポレートコミュニケーション部 広報室
本日、「コスモ石油二次災害防止情報」と言うタイトルで不特定多数の方にメールが配信されております。
本文には「コスモ石油の爆発により有害物質が雲などに付着し、雨などといっしょに降る」と言う記載がありますが、
このような事実はありません。
タンクに貯蔵されていたのは「LPガス」であり、燃焼により発生した大気が人体へ及ぼす影響は非常に少ないと考えております。
近隣住民の方々をはじめ、関係する皆様に多大なご迷惑とご心配をおかけしております事を
心よりお詫び申し上げます。
上URLのキャプチャー画像(以下のものを拝借しました)
↓
☆千葉県浦安市もアナウンス
市原市のコスモ石油千葉製油所LPGタンクの爆発により、千葉県、近隣圏に在住の方に有害物質が雨などと一緒に飛散するという虚偽のチェーンメールが送られています。千葉県消防地震防災課に確認したところ、そのようなことはないと確認できました。正確な情報の把握により行動してください。
朝日新聞も記事に
「コスモ石油が否定 「火災で有害物質降る」のメール連鎖」
http://www.asahi.com/special/10005/TKY201103120432.html
※なお、上記デマと、放射能漏れ地域の問題は別ですので、両者の議論と混同しないようにも注意してください。
-現地からのSOS情報?
SOS情報などの書き込みをどうすればいいのかは悩みどころです。ツイッター以外のインフラが使えないケース、というのもありえなくはないからです。しかし、情報が古くなる、情報源が拡散する、通報が何度もいってしまう、などのデメリットも多いです。ニセのSOS情報なども出てしまいました(僕も、上記のデマについて竹熊健太郎さんがツイートしているのを、一時期RTしていました。反省すべきことです)。
SOS系のデマはもってのほかです。ただ、その人個人が「うそつき」かどうかの判別が難しいケースもあるでしょうから、教訓としては、
・拡散より先に、通報などすべきことをする
・ツイッター以外の選択肢のほうが確からしい場合、それをする
特に、例えば下記のようなサイトなどには災害用伝言ダイヤルや災害用伝言掲示板、緊急連絡先などの一覧があるので、そちらを薦めるのがいいと思います。
【地震発生時緊急マニュアルまとめ】
http://mblg.tv/enokiiii/entry/1/
そのほうが、「誰か近くの人なんとかして」系よりも確実かと思います。遭遇した書き込みなどが、「漠然とした大勢」よりも「具体的な機関」に依頼したほうが確実ではないか、と考えてみるのがいいかと思います。どうしても必要だと思ったなら、先程でたツイッターRT時の注意を守るのがベターだと思います。
-また出てしまった、外国人犯罪流言
「外国人が犯罪を起こすかも」という流言は必ず出ます。過去の日本でも繰り返し出ましたし、海外でも災害時は頻繁にでます(例えばアメリカでのハリケーンの時の黒人叩きの報道を思い出していただければ)。
「地震のどさくさに差別をたれ流す人々」
安全を呼びかけるための注意喚起と、特定のスケープゴートを作り出す可能性のある攻撃的な恐怖流言とは別物です。歴史の過ちを繰り返さないようにしてください。不安もわかりますが、情報が少ない中で「分かりやすい敵」を作り出すのは、冤罪や不当な暴力を招く可能性があります。
※政治家についての流言もあるようです。不満もわかりますが、「これだから○○はダメ」ではなく、「今、為政者がなすべきこと」を要求し続けるのが先かと思います。責任追求は後でもたっぷりできると思います。
-トルコが日本に100億円の援助?
http://raicho.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1299912098/l50
「トルコが日本に100億円の援助をする」という情報があちこちに独り歩きしていますが、これまでソースが一切提示されていません。デマと断定はできませんが、メディアがどこも報じていないので、「報じてから言及しても遅くはない」という距離感でいいと思います。あまり有害な流言ではないかも知れませんが、こうした事態でも「ソースの明記されていない情報」への注意が必要となります。中には「トルコは新日だから」というような反応もありますが、海外の支援そのものが喜ばしいことなので、「親日か反日か」という軸で議論をするのは有用ではないと思います。
ついでに、「○○国の掲示板の反応」として、悪意ある書き込みだけを抜粋したまとめなどをみて、「○○国は反日なのか!」と憤るのも有用ではないと思います。どの国にも、偏った人、他人の不幸を喜ぶ人、騒ぎたいだけの人はいます。この国にも、海外で災害があったときに、はしゃぐひとは一部いました。そういう人は無視していいですし、それを全体化するような議論もスルーしたほうがいいでしょう。
実際に受けた海外からの支援などは、色々な記事にまとまっています。受けた恩には、いずれ感謝を伝えましょう。感謝は、ソースを確認してからでも遅くはないはずです。
http://www.asahi.com/special/10005/TKY201103120341.html
-日本が地震兵器で攻撃された可能性うんぬん
論外です
-著名人死亡説
海外など今回の地震への注目はとても大きいものですが、日本の著名人に関する真偽不明情報も多く流れているようです。
The creator of Pokemon died today in the #tsunami, #Japan. RIP: Satoshi Tajiri. #prayforjapan.
「今日、ポケモンクリエイターの田尻智氏が日本の津波でなくなりました、安らかに」
The Creator of Hello Kitty, Yuko Yamaguchi, died today in Japan. #prayforjapan
「今日、ハローキティのクリエイター、山口裕子さんが亡くなりました」
こうしたツイートに、ソースが貼られることはありません。日本でもニュースになっておらず、やはりソースはありません。海外でも、善意による行動が、誤った情報を広げる結果になってしまっています。ネットから誤った情報を取得する海外の方が増えないように、英語の出来る方の手助けも重要です。
-関西電力の節電よびかけチェーンメール
関西電力で働いている友達からのお願いなのですが、本日18時以降関東の電気の備蓄が底をつくらしく、中部電力や関西電力からも送電を行うらしいです。一人が少しの節電をするだけで、関東の方の携帯が充電を出来て情報を得たり、病院にいる方が医療機器を使えるようになり救われます!
関西地区にお住まいのみなさん。地震に伴い、関西電力が電力の提供を始めたようです。少しの節電でも立派な支援になります。電子レンジや炊飯器など、普段さしっぱなしのコンセントを今日だけでも抜いて節電しましょう。
「友達からのお願い」「電気の備蓄」といった単語が並びます。ですが、関西電力はそうした呼びかけは行っておらず、またチェーンメールについては否定しています。
このたびの東北地方太平洋沖地震により被害を受けられた皆様に心からお見舞い申し上げます。
当社は当社名で震災に関連してお客さまにチェーンメールを送ることはございませんので、ご注意ください。
ただし、節電自体は大事なことでしょう。
-埼玉県の水を飲むな?
埼玉県の水道水が危ない、透明でも異物混入の可能性があり飲むな
埼玉の人気を付けてー、水道水飲んじゃダメだよー!放送聴いてなかった人絶対飲んじゃだめだからねー!!
ソースがありません。
-東京電力を装った男?
一人暮らししてる人へ 今都内で、東京ガスや東京電力を装った男がうろついているそうです 一人暮らしの女性は危険なので絶対でないで下さい
東京などで電力会社やガス会社の社員を装って一人暮らしの女性宅に押し入る輩が出ているようです。多少でも被害のでている地方にお住まいの女性の方はご注意ください。
拡散希望> 都内の女性宅に"東京電力""安否確認"などで見知らぬ男性が訪問してくる事件が相次いでいます。うちにも来ました。くれぐれも気をつけてくださいね。
これ自体の真偽は不明です。ただ、伝聞調の情報を拡散する場合には、十分に注意する癖をつけてください。またこのようなやりとりの場合、仮に事実だとしても、「今都内で」といった書き込みが拡散すると、いつのことなのかわからなくなるというデメリットもあります。また、「都内」といっても広すぎて、注意喚起としては不十分です。拡散するなら、書き方にも注意が必要です。
ただし、全ての真偽はわかりませんが、当事者と名乗る方もいますし、便乗的犯行や性的被害にあわないよう、みなさん十分気をつけてください。「こうしたケースもあるかも知れないから気をつけてね」という文言だと思って受け止めるぐらいがちょうどいいかもしれません。なお、報告ツイートの場合は、110番通報したかどうかなどの情報も載せるのがいいでしょう。
-「情弱叩き」とかじゃなく
「デマにダマされる人は情弱」とか笑ってもあまり意味ないです。減らす努力が必要です。もちろん、「デマ流す実験」とかやるのは論外中の論外です。
今回のような災害で、しかも情報が遮断されてしまっている空間がある場合では、情報の不足と不安感情の高まり、そして関心を持っている人口の多さから、デマに飛びつく人がでやすい、デマが流れやすい構造になってしまっています。
一定数、ダマされる人が出ること自体は避けようがありませんが、その被害を最小化するのは課題です。デマを流してしまった人を過剰に責めるのもまた、パニックや不信を増大する意味では本末転倒になる場合もあるので、淡々と対応するのがいいと思います。
デマを拡散しないためには、「らしい」という発言に即座に反応するのではなく、公的機関などのアナウンスを獲得する努力が重要です。ただ、情報が遮断されている現地の場合、口コミ以外の情報源がないケースもあります。繰り返しになりますが、「情弱叩き」ではなく、確かな情報を共有する努力と工夫が課題です。
※絶対にだまされない「情強」などいません。そして本当に「情強」なら、「弱者」への手助けをまっさきに考える必要があります。「騙される側になってしまうかもしれない」という意識は常に欠かせないものです。
-「RT依頼」「拡散依頼」について
より多くの人に見られるよう「拡散希望!」とツイートする人は多くいます。専門家が注意喚起を促す場合と、伝聞情報を拡散する場合とでは、同じ情報拡散でも効果があ違います。「拡散希望!」系のツイートは、他の人もどんどんRTしていることでしょう。内容は他のニュースと比べても確からしいか、「自分のRTこそが本当に必要か」、いちど立ち止まってみるのがいいと思います。
著名人の方のところには、「この内容をツイートしてください!」というリプライが大量に届いています。中には自覚的に、「自分のところにリプライしてくれれば拡散します」と仰る人もいます。数万人~数十万人の人に見られるアカウントやブログには、ラジオや雑誌と同規模の閲覧可能性があります。使い方によっては有意義にもなりますが、逆に機能することもあります。ダメ情報で必要な情報を埋めてしまわないよう、依頼する側も、依頼を受ける側も、リスクとメリットを常に比べることが重要です。あわてて英雄になろうとする必要はありません。善意のリソースも有限です。効率的に使ってください。
-進行系の情報について
非専門家ではデマかどうかを確認したくてもできないケースも多くあります。その場合、「いますぐ自分こそが行動しなくてはならない」というケースでないなら、判断と行動を保留しておくのがいいと思われます。判断保留・行動保留と、思考停止は別です。思考停止してうのみにするのではなく、情報を比較するのが重要です。ネット上での発信も、良かれ悪しかれ、誰かの具体的行動を変える力がありますから、なおさらです。
現在、特に原発についての憶測情報が多く飛び交っています。多くの人は、原発の専門家ではないので、詳しいことがわからず不安でしょう。だからこそ、ネットでの流言が回りまわって現地でのパニックを引き起こしたりしないよう、公的機関の明らかにしている範囲での「事実」を、常に確認することが大切です。
専門家や報道機関が、確からしい情報を発信する努力をするがゆえに、断言できないという事情もあります。そのため、会見などをみてモヤモヤした人もいるかもしれません。しかしだからといって、それを専門家でもないよくわからない人が断言してしまい、そっちを多数が信じてしまうと、もともこもありません。また、「報道統制をしているんだ!」という一方的な陰謀論は、その不確かな情報がはびこる温床でもありますので、距離をとってください。未確定の情報については、先人や専門家による検証作業そのものの比較をするのもいいでしょう。「デマかな?」と思ったら、「○○+デマ」というキーワードで検索してみて、懐疑している人の意見をあえて獲得するのも効果的です。
「献血に関するデマ」「被爆を防ぐ方法に関するデマ」「電力供給に関するデマ」「支援物資募集に関するデマ」も多くあります。これらは生活に密接に関わるため、誤った情報を少しでも減らさなくてはなりません。「"デマです"」などでグーグルリアルタイム検索すると、デマの否定をツイートしている方が多くいるので、いちど眺めてみるのもいいでしょう。だいたいの傾向がつかめるかも知れません。
-デマ参考サイト
「迷惑メール」に関するヤフートニュース一覧
http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/domestic/spam_mail/
産経新聞記事:「次は近畿」「有害物質の雨が降る」 ネット上でデマ飛び交う
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110312-00000767-san-soci
NHKニュース:ネットにうその情報も 確認を
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110313/k10014634781000.html
TBSニュース:チェーンメールに注意 事実と異なる情報
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4671856.html
※以上のようなデマについて議論するとき、ネットで情報拡散のお手伝いをしている人と、現地でデマを信じてしまう人とを同列に扱わないようにも、気を付けなくてはなりません。命に関わる場合、自分の命を最優先に、最悪のケースを考えて行動する必要もあるからです。ただし、その情報の確認作業が重要なことは言うまでもなく、ましてその未確定情報を世界で共有すべきかどうかは、別の問題です。
※適宜更新します
※流言やデマの発言主へのリンクは控えています。ご了承ください。デマの有無が気になる方は、検索をしていただければ確認できます。